ISOFIX 対応チャイルドシートの現状について
はじめに
2000年4月から日本においてもチャイルドシート(CRS=Child Restaint System)の使用が義務付けられました。ところが警察庁と日本自動車連盟(JAF)の全国調査によると、8年後の現在でもチャイルドシートの使用率はわずか50.2%といいます。又、使用しても取付方法を誤っているケースが全体の7割もあり、法制化後でも自動車事故による幼児の死亡率、重軽症率は殆んど変わっていないという研究報告があるほどです。 このような状況下で、2006年には改正保安基準が制定・施行され、
(改正保安基準-ECE R 44/04 全文) (国土交通省-プレスリリース)
2008年6月には日本小児科学会がチャイルドシートの選び方や正しい装着法を示した初めての提言を行っています。
(日本小児科学会の提言)
いずれも、チャイルドシートに関して正しい知識をもってもらい、安全なシートの使用、装着率を高め誤装着を減らして幼児の死亡・傷害率を軽減するための施策やアプローチです。
こんななかでTIECは業界の一角としてどのような貢献ができるかを模索して参りました。その結果、国内ではまだ馴染みが薄いが取付けミスが極端に少ないことともう一段上の安全性で欧州の各種アセスメントで常に最上位にランクされているISOFIX,ISO FIX(アイソフィックス、イソフィックス、アイエスオー・フィックス)対応チャイルドシートを紹介すること、今までになかった正確で詳細な解説を行うことで、「ISOFIX」対応チャイルドシートを安心してご使用いただくことに少しでも寄与できるのではないかと考えるようになりました。
(2008欧州アセスメント、ドイツ、ADAC) (2008春、欧州アセスメント、オーストリア、Oeamtc)
(2009欧州アセスメント、ドイツ、ADAC) (2008秋、欧州アセスメント、オーストリア、Oeamtc)
(2010欧州アセスメント、ドイツ、ADAC) (2009春、欧州アセスメント、オーストリア、Oeamtc)
ドイツのアセスメントは「Testjahr」の項に年度を入れ直してご覧ください (2009秋、欧州アセスメント、オーストリア、Oeamtc)
わが国ではISOFIX対応チャイルドシートは一般のチャイルドシート売り場で見ることがありません、なぜでしょうか?ISOFIX対応チャイルドシートは機構的、法的に自動車メーカー純正以外は使えないというのは本当でしょうか?国内のアセスメントではどうしてISOFIX対応シートの評価がないのでしょうか?このような単純ながら大切な疑問に答え、又いままでになかった観点からの解説を試みています。かなりの調査と考察を経ての解説ですがあるいは解釈が誤っていることがあるかもしれません。是非最後まで読んでいただき、感想、疑問、質問、反論、提言などをお寄せいただけば幸いです。
2009 年 2 月
文中、一般的意味のチャイルドシート(CRS=Child
Restaint System=幼児拘束装置)を指すときは「CRS」あるいは「チャイルドシート」と表記し、体重グループでのクラス分けで9~18kg対応の幼児用チャイルドシート=CRSを指す時はピンク色の「ちゃいるどシート」で表記します。
Q:チャイルドシート(CRS)は何種類に分類されるのですか?
A: 対象体重(年齢)グループ(法律では「重量区分」)からは以下のように分類されます。
| グループ 0 : |
誕生から10kgまで |
・・・・・ 国内では 乳児用シート 又は |
ベビーシート |
ISOFIX対応もあり |
| グループ 0+ : |
誕生から13kgまで |
・・・・・ 国内では 乳児用シート 又は |
ベビーシート |
ISOFIX対応もあり |
| グループ Ⅰ : |
9~18kgまで |
・・・・・ 国内では 幼児用シート 又は |
ちゃいるどシート |
ISOFIX対応もあり |
| グループ Ⅱ : |
15~25kgまで |
・・・・・ 国内では 学童用シート 又は |
ジュニアシート |
ISOFIX対応もあり |
| グループ Ⅲ : |
22~36kgまで |
・・・・・ 国内では 学童用シート 又は |
ジュニアシート |
ISOFIX対応もあり |
しかしユーザー側からみれば、グループ0&0+(乳児用)、グループⅠ(幼児用)、グループⅡ&Ⅲ(学童用)の一般的には3種類のチャイルドシートが市販されていますので実質的には3種類と覚えても間違いではありません。その3種類すべてに車両3点式シートベルトで固定できるタイプは勿論、ISOFIXアンカーで固定できるISOFIX対応CRSがあります。つまり3x2=6種類から選択、購入して使用することになります。
グループⅠ(幼児)用CRSにはISOFIXベースと分離型やISOFIXアーム内蔵一体型があったり、トップテザーが付いたり、サポートレッグが付いて頭部の移動量を軽減しているものがあり、又、グループ0&0+とⅠ共用で使えるものもありますがそれらは6種類の中の派生種と理解してください。
典型的な対象体重グループ毎のCRS分類とどのようなものが市場にあるのかは下記の画像を参照ください。
グループ 0&0+
(3点式ベルト固定)

(ISOFIX固定)
 |
グループ Ⅰ
(3点式ベルト固定)

(ISOFIX固定)
 |
グループⅡ&Ⅲ
(3点式ベルト固定)

(ISOFIX固定)
 |
ISOFIX対応チャイルドシート(CRS)
Q: ISOFIX, ISO FIX(アイソフィックス、イソフィックス、アイエスオー・フィックス)対応チャイルドシートとはどのようなものですか?
A: スイスのジュネーブに本部を置く、電気分野を除く工業分野の国際的な標準である国際規格を策定するためのNGO(非政府組織)がISO(International Organization for Standalization=国際標準化機構)で、そのISOが設定した自動車の座席にチャイルドシートを固定する方式の国際標準規格がISOFIXです。
ISOFIXロアアンカレッジと呼ばれる自動車に設置される金属の取付具(バー)に、それに対応するISOFIXアーム(コネクター)と呼ばれるチャイルドシートに付く金属の取付具2個を接続・固定してCRSを短時間で確実に取り付けるのがISOFIX取り付けシステムです。
付随的にピッチ回転を制限するためのテザーベルトやサポートレッグと呼ばれるものを備えているものもあります。それらの装置・設備に対応し取付けられるCRSがISOFIX対応チャイルドシートです。
ISOFIX対応チャイルドシートには、CRSと分離したベース(プラットホーム)にISOFIXアームが付いてその上にシートを乗せる分離タイプとCRSの底の部分にISOFIXアームが内蔵されていて必要に応じて引き出して使うタイプの2種類があります。どちらの場合でもISOFIXアームの形状、サイズ、強度などはISOの規格に適合していなければいけません。
どのISOFIX対応CRSもIsofixアンカーを備えていない車で車両3点式シートベルトで固定して使える両用となっています。
Q: なぜ今ISOFIX対応チャイルドシートが脚光を浴びているのですか?
A: ISOFIX対応チャイルドシートはシートベルトを使うのではなく、自動車のシャーシに直接接続(実際は金属の取付具同士の接続)することで短時間(ガチャ、カチッで5-10秒)で確実に取り付けができ、取り付けミスが極端に軽減すること、金属と金属の接続なので剛性があり、より高い安全性が得られることがその理由です。又、多くの自動車メーカーが純正採用したり認可申請に積極的に動き認証を得たこと、及び各国の行政機関もその優越性を認め改正保安基準で普及を後押ししたことなども理由になっているでしょう。
下記スライドショーではISOFIXアーム(コネクター)がどのようにISOFIXアンカレッジと接続するかをご覧ください。


| ISOFIX, ISO FIX(アイソフィックス、イソフィックス、アイエスオー・フィックス)対応チャイルドシートの最初の開発チームの結成は1990年、その7年後の1997年、Volkswagen(フォルクスワーゲン)社とRoemer社、後のBritax-Roemer(ブライタックス・レーマー)社がVW-GolfⅣに設置するチャイルドシート用に共同開発したのが最初のISOFIXチャイルドシートです。その為欧州が市場への導入の時期、技術、品質、安全性、安全基準などの法整備などすべてにおいて世界のトップランナーの位置にたっています。わが国でもチャイルドシート着用が義務化されてはや8年ですが、せっかくチャイルドシートを使用してもいまだに取り付けミスが多いのが現状です。チャイルドシート先進国でもこの事情は同じでしたが、ISOFIXチャイルドシートが市場に出て以来ミスユースが極端に少なくなった事実が、ISOFIX方式をもっと普及させようとの動きを活発にしています。将来的にはすべての乗用車にISOFIX取り付け装置がつき、チャイルドシートの大多数がISOFIX対応チャイルドシートになる方向で世の中が動いています。 |
Q: ISOFIX対応CRSは知名度も普及もまだまだですが、どうしてですか?
A: 先ずわが国ではISOFIXの歴史も経験も浅く供給側にも消費者側にもISOFIXが何か、その良さがどこにあるのかが判らず研究開発、宣伝、供給のいずれにも力が入っていないことが第一の理由でしょう。
ISOFIX取付装置を車両が備えていないので、あるいは例えISOFIX取付装置を備えていても3点式シートベルトで設置する現行チャイルドシートで間に合っているのでISOFIXの必要性を感じていないことが第二の理由でしょう。
第三に、ISOFIX対応CRSを取付けようと思っても現在は自動車メーカーの「純正」CRSしかないと思って(思わされて)おり、供給が少ない、選択肢の幅が狭い、値段が高いことなどもネックになっていると思います。
第四に、ISOFIX対応CRSは自動車によっては機構的に取り付かない(らしい)ということで関心と興味が薄れていることも理由です。更には機構的に取り付けられても法的にはいけないこと(らしい)、この「法的」判断は難しく、判らずに取り付けて使用すると知らないうちに法を守らない「違反者」のレッテルを貼られたり、事故の際に保険がおりない、補償されない(らしい)ので消費者が萎縮したり躊躇したりしていることも理由になっていると思います。
Q: ISOFIX対応CRSは自動車用品や子供関連の量販店で販売しないのですか?
A: 日本ではISOFIX対応CRSの開発、認可申請・取得がドイツのようにチャイルドシートメーカーと自動車メーカーの共同でなく、自動車メーカー主導で行われました。これにより、ISOFIX対応CRSが自動車メーカーの「純正」保安部品のひとつであるとの考えが、ディーラーでのみの販売という特殊な市場環境を作っていると思われます。
量販店でのISOFIX対応CRSの販売が禁止されている訳ではありませんので、今後、需要が多くなれば供給メーカーも販売店側も体勢を整え、どこでも購入できるようになっていくでしょう。
Q: ISOFIX対応CRSは自動車メーカーの「純正」CRSしかないのでしょうか?
A: CRSメーカーが自動車メーカーへのOEM供給に甘んじており、海外CRSメーカーのように自らの主導か自動車メーカーとの協力で「認可申請-取得」、「認定車両リスト」を公開していないことが、「純正」以外に存在しないと思われている理由です。自動車メーカーがユーザーにCRSをあてがうのではなく、欧州のようにCRSメーカーが適合する自動車を選ぶのが本来の姿で、こうすることでユーザーは複数のCRSから最適のものを選択できます。
「純正」以外でもISOFIX対応CRSは多数存在します。「ISOFIX対応CRSは「純正」CRS以外はない、「純正」CRS以外使えない」というのは事実ではありません。ユーザーは選択するCRSを使用する車両が認定車両かどうかを確認する必要はありますがどのISOFIX対応CRSを選ぶかは全く自由です。
Q: ISOFIX対応CRSは、機構上「純正」品以外は取り付かないというのは本当ですか?
A: ISOFIXアンカレッジ(バー)とISOFIXアーム(コネクタ)はISO(国際規格)ですので、純正品、非純正品に関係なく取り付けられます、従い、機構上純正品以外は取り付かないということはあり得ません。
前述のようISOFIX対応CRSでもベビーシートやちゃいるどシートはISOFIXアーム(コネクタ)が内蔵されておらず別売りのISOFIXベースというプラットホームと一体になって初めてISOFIX固定ができるようになっているものもあります。このシートとベース分離型の場合、ベースに付属のISOFIXアーム(コネクタ)はどの車両のロアアンカレッジにでも付きますが、ベースはチャイルドシート専用設計ですのでどのCRSでも乗せられる訳ではありません。このことが純正品以外は取り付かないとの誤解を生んだものと思われます。ベースとシート分離型の場合、ベースとシートの一対でISOFIX対応CRSですので純正品以外のシートは当然そのメーカーのベースとの組み合わせになりますが、機構的・技術的に問題なく取り付けられます。
Q: ISOFIXには「旧」と「新」がありそれぞれ規格や寸法が違うというのは本当でしょうか?
A: トップテザーアンカレッジの取り付け義務が加わり保安基準上の取扱いに変更はありますが、ISOFIXの規格や寸法に変更があったということはありません。おそらく誰かが保安基準が改正以前を「旧」、改正後を「新」と命名し、改正はISOFIXの構造そのものの変更まで規定していると誤解したものと思われます。ISOFIXの規格や寸法に「旧」や「新」はありません。
Q: 「純正」以外のISOFIX対応CRSの使用は「違法」ですか?
A: 結論からいうと、「純正」以外でも認可されたISOFIX対応CRSは存在しますので、旧保安基準、新保安基準に関係なく、昔も今もこれからも、「純正」=合法、純正以外=違法という図式は成立しません。認定車両と共に認可されたISOFIX対応CRSは「純正」であれ「非純正」であれその使用は全くの「合法・適法」です。
自動車メーカーの「純正CRSとの組み合わせで保安基準が認定されていますから純正以外は使わないで下さい」とのお願い(あるいは宣伝)を、「純正」以外のISOFIX対応CRSとの組み合わせは無認可なのだから「違法」なのだとユーザーが思い込んでしまった所からこの「違法説」が生まれたのではと思います。
新保安基準と「汎用」ISOFIX 対応チャイルドシートについて
ここからは少し、チャイルドシート(CRS)一般、ISOFIX対応チャイルドシート(乳児用、学童用CRS)、ISOFIX対応ちゃいるどシート(幼児用CRS)、トップテザーハーネスが付いたISOFIX対応ちゃいるどシート(幼児用CRS)、それにサポートレッグが付いたISOFIX対応ちゃいるどシート(幼児用CRS)と新保安基準の関係を交通整理してみましょう。
急激に保安基準が欧州基準(ECE R44)に統一され、チャイルドシート(CRS)も体重別に3種類に分類されそれぞれの形状や取付向きが異なったり、それぞれにISOFIX対応があったりなかったり、ISOFIXベースという分離されたパーツがあるかと思えばISOFIXコネクターが内蔵されたものもあります。それに今回のトップテザーというものがついたりつかなかったりとユーザーが混乱する要素が沢山ありますので交通整理はどうしても必要だと思います。
Q: 新保安基準は旧基準とどこが違い、何が重要な点でしょうか?
A: 2006年10月1日に施行された改正道路運送保安基準では、チャイルドシート(CRS)の保安基準として欧州統一基準の「ECE規則44号、第4改訂版(ECE
R44/04)」を採用しています。これによりこれから生産されたり市場にでるCRSはすべて「ECE規則44号」という国際協定規則に従い国際基準化が図られ、2012年7月1日より完全適用されることになります。
(旧国内基準と改正保安基準の違いの具体例) -資料提供:リーマン株式会社
さらにCRSの取付ミス防止対策として取付けに関する基準を強化するとともに、将来的にどの車でもどのCRSでも汎用的に使えるよう、汎用ISOFIX取付装置(トップテザーアンカレッジ)の設置が自動車メーカーに義務付けられました。
(汎用ISOFIXの図解説明) -資料:国土交通省
又、装着される車両の環境整備のためISOFIX方式の取付装置及びISOFIXトップテザー取付装置に関する「ECE規則14号」及び「ECE規則16号」も併せて採用し国内基準との整合化を行っています。
(ECE規則14号) -資料:国土交通省
CRSは今までは国内保安基準、欧州保安基準、米国保安基準のどれかに適合していれば良かったのですが、今回、欧州保安基準のみを統一基準として残し採択したことは基準の国際調和・統一を推進させ、日本もチャイルドシート先進国の仲間入りの条件を整えたといえるでしょう。
又、取り付け上のミスが少なく容易且つ確実、安全な取り付けが可能なISOFIX対応ちゃいるどシート(幼児用CRS)、それもトップテザー付きタイプが使えるよう車両に環境整備を義務付けたことは、わが国でもISOFIX対応CRS(含むちゃいるどシート)の開発、生産、普及に拍車をかけたいとの狙いもあるものと思われます。
新保安基準のISOFIXに関する規定の主要点は;

① 自動車に「汎用」ISOFIX取り付け装置をつけなさい-という規定で、自動車メーカーに対し、これから生産される車両の環境整備を義務づけています。
② 取り付け装置(トップテザーアンカレッジ)とちゃいるどシートが「汎用」であるか否かは自動車製作者又はチャイルドシート製作者が一般消費者にお知らせしなさいと行政指導することになります。
これは規則に条文化されていませんがメーカー側の消費者に対する通知・周知の義務といえます。
③ 新保安基準がユーザーに何かを義務づけているということはありませんので、ユーザーは構える必要もあれこれ心配する必要もありません。(TIEC 注)
※TIECは新保安基準が施行されるはるか以前からチャイルドシートの安全基準に関しては日本も現行で一番厳しい欧州基準を採用するべき、取付けミスの少ないISOFIX対応チャイルドシートの普及に行政も自動車メーカーも積極的であるべしとの思いで、ISOFX対応CRSも含め欧州製チャイルドシートを紹介してきました。それゆえ今回の欧州新保安基準の採択と改正には大賛成です。
Q: 新保安基準の適用で今までのチャイルドシートが使えなくなるのですか?
A: ISOFIX対応、非対応に関係なく今までのチャイルドシート(CRS)を使い続けることは問題ありませんし、「違法」でもありません。
法律は2012年(4年後)7月1日からは新保安基準を満たさないCRSの製造・販売を禁止しますが、ユーザーが所有しているCRSの使用を禁止する訳ではありません。
しかし安全性や快適性を考慮すれば、勿論、経年劣化した中古CRSの使用は推奨できません。
Q: 新保安基準は、自動車に新しく「汎用」ISOFIX取り付け装置をつけなさい、といっていますが、「汎用」ISOFIX取り付け装置とは何のことですか?
A: なんのことか判らない場合は気にする必要がありません。この規定は重量グループⅠ(9-18kg、幼児用)の進行方向前向きに設置するちゃいるどシートの場合に限定した規定で、しかも自動車メーカーへの義務付けでユーザーには直接関係ありません。知識として一応頭にいれておいてください。
97年から生産開始されたISOFIX対応CRSはCRSのISOFIXアームを車両のロアアンカレッジと呼ばれるISOFIX取付装置に固定するものでした。このロアアンカレッジと呼ばれる車両座席の座面と背もたれの間にあるISOFIX取付装置に加えて、ちゃいるどシートの上部を繋ぎとめるトップテザーというベルトが開発されました。トップテザーが初めて採用されたのは2000年ですが、進行方向前向きに設置する幼児用CRS(ちゃいるどシート)の上部を繋ぎとめることで衝突時の頭部の移動量を軽減し、より高い安全性が得られることから考慮された結果の規定です。「汎用」ISOFIX取り付け装置とはそのトップテザーベルトを自動車側で固定するテザーアンカレッジ(馬の手綱を繋ぎ留めておく杭)と先ずはご理解ください。
正確にはトップテザーアンカレッジ=「汎用」ISOFIX取付装置ではなく、従来のロアアンカレッジにトップテザーアンカレッジを加えることでISOFIXは「汎用」ISOFIXと認定され、これで保安基準を認定取得した自動車が「汎用」ISOFIX車両です。つまり「汎用」ISOFIX取り付け装置という装置が元々あるのではなく、取り付けて認証されるから「汎用」装置となるのです。
<ロア(下部)アンカレッジの例>
<トップテザーアンカレッジの例>
<解説>わが国ではISOFIX対応の車両もチャイルドシートもまだ普及の端緒についたばかりで、ISOFIX自体よく判ってい ないのに今度は「汎用」ISOFIX取り付け装置をつけなさい、それに関する規定はこうだといわれ、より難解になっているのだと思います。新保安基準ではじめて「汎用」ISOFIXという表現がでてきますので、「汎用」って何?というところで先ず立ち止まる方が多いのではないでしょうか。
いきなり解説もなしで「汎用」装置をつけなさいといわれるから解らず混乱するのであり、シートの上部をベルトで繋ぎ止めるための装置=「テザーアンカレッジ」を自動車に加えなさい、そうすればその取付け装置と従来のロアアンカレッジのセットを「汎用」ISOFIX装置として認可しますよ、といわれれば判り易いと思います。「汎用」装置を取り付けるのではなく、取り付けるから「汎用」ISOFIX装置になり、その装置を備えれば「汎用」ISOFIX対応車両になり、その装置に付けられる条件を満たしているCRSが汎用ISOFIX対応チャイルドシート(CRS)になる(認定される)のです。
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Q: チャイルドシートは全てどんな車でも使える汎用CRSではなかったのですか?
A: 車両3点式シートベルトで固定して使用するチャイルドシート(CRS)は殆どすべてが「汎用=Universal」のカテゴリーに入る汎用CRSです。汎用という意味は欧州保安基準ECE R16やそれと同等の基準で認可された3点式シートベルトを備えた車であればどれでも使用できるということです。全てのISOFIX対応チャイルドシート(CRS)はISOFIX対応とISOFIX非対応の両方で使用できますので、3点式シートベルトで固定して使用する限りにおいては汎用CRSです。しかし、ISOFIX固定方式の場合、CRSと車両の組み合わせで認可申請、取得が行われたため、「準汎用=Semi Universal」か「車両限定=Vehicle-specific」での認定となり、実際にはどの車でも使える汎用性がありながらも保安基準上は完全「汎用」とはなっていません。
「純正」以外のISOFIX対応CRSでも、殆んどすべてのISOFIX取り付け装置(アンカレッジ)をそなえている車両は「認定車両」としてメーカーのリストに載っていますので実質「汎用」状態ですし、又、まだ少ないながらも汎用ISOFIX対応車両が発売となり「汎用」ISOFIXちゃいるどシートを文字通り汎用で使えるようになっています。
Q: 車にはロアアンカレッジもトップテザーアンカレッジもすでに付いています。その場合には「汎用」ISOFIXちゃいるどシートを取り付けられるのですか?
A: 取り付ける車両がチャイルドシートメーカーの「認定車両」であれば、「車両限定」で認定済みCRSですので何の問題もありません。ちゃいるどシートメーカーの「認定車両」リストで確認してください。
その車が「汎用」ISOFIX取り付け装置を備えている、つまりトップテザーアンカレッジがついていて車両の取り扱い説明書に「汎用」ISOFIX対応車両である証明「記述」があれば問題ありません(詳細は後述します)。たとえ「認定車両」や「汎用ISOFIX車両」でなくとも、車両三点式シートベルトで固定・使用することは全く問題ありません。
Q: 「汎用」ISOFIX取り付け装置には「汎用」ISOFIXちゃいるどシート(CRS)を装着できる、といっていますが、「汎用」ISOFIXちゃいるどシートとはどのようなものですか?
<現在流通している「汎用」Isofix対応CRSは以下のようなものがあります>
 
A: 何か全く新しい画期的なあるいは夢のような「汎用」ISOFIX対応というCRSが世に出てくるということではありません。現在流通しているISOFIX対応CRSでも一定の条件をクリアすると「汎用=Universal」というカテゴリーに昇格・参入するとご理解ください。「汎用」ISOFIX対応CRSはこれから新しく開発・生産・販売されるのではなく、自動車側の環境整備がなされれることで「汎用」認定されるものが増えていくのです。今までも、今も「汎用」ISOFIX対応CRSは存在します。多くは外国製ですが、2008年に初の国産「汎用」ISOFIX対応ちゃいるどシートが発売となりました。「汎用」ISOFIX対応CRSは文字通り「汎用」性があり「汎用」車両であればどの車でも取付・使用できます。その逆も又可なりで「汎用」車両にはどの「汎用」CRSでも取付・使用ができます。
「汎用」ちゃいるどシートにはトップテザーが付いていることは勿論ですが、「汎用」ISOFIX装置の付いた車であればどれにでも取り付けられるから「汎用」ISOFIX対応CRS(ちゃいるどシート)になるのです。
上記レーマー社のデュオ・プラスやトヨタ純正(メーカー:タカタ)のNeo G Child ISO Tetherは汎用ISOFIX対応幼児用CRSでどの自動車メーカーの汎用ISOFIX対応車にでもそれこそ「汎用」で取り付けられ、「純正」CRS以外は取り付けられませんという説明が通用しなくなっています。
繰り返しますがこの規定は、体重9~18kg=保安基準では「サイズ等級-B1」用の車両進行方向に設置され、トップテザーを使って拘束する幼児用シートのみが対象となります。トップテザーを使わないISOFIX対応乳児用シート(新生児~13kg)や学童用シート(体重15~36kg)も将来は「汎用」になっていくでしょうが、今のところは「準汎用」か「車両限定」CRSとなっています。 |
Q: 「汎用」ISOFIX対応ちゃいるどシートでも純正品以外を使用するのは「違法」ですか?
A:保安基準で「違法」性がとわれるのは自動車メーカーやチャイルドシートメーカーが保安基準に合致しない自動車やCRSを生産・販売あるいは消費者に間違った情報を故意に与えた場合のみで、汎用ISOFIX対応車両でどの汎用ISOFIX対応CRSを使用するかは全くユーザーの自由選択で、使用に関してユーザーに法的義務や責任はなく従い「違法」性を問われることはありません。
ISOFIX対応ちゃいるどシートは「汎用」になった時点でどのメーカーのどの汎用ISOFIX車両にも使用できますので、もはや「純正」や「専用」ではなくなるのです。ユーザーは「純正」か否かではなく、自動車もCRSも汎用ISOFIXとして認定されているかどうかを基準にご自分のお好みでチャイルドシートを選んでください。
<解説>例えばトヨタの2007年以降に販売開始されたランドクルーザー、マーク・ジオ、アルファード、ヴェルファイアなどはトップテザー取付装置を設置して、新保安基準で「汎用」ISOFIX車両と認定されています。これらの車両に取り付けられる「汎用」ISOFIXちゃいるどシートとしてタカタ社の製品をNeo G-Child
ISO tetherという名前で「純正」シートとして採用しています。この「純正」のNeo
G-Child ISO tether以外のシートでも「汎用」ISOFIXちゃいるどシートであれば「汎用」ISOFIX取り付け装置を備えたトヨタ車に堂々と取り付け、使用することができます。
逆も成り立ち、このNeo G-Child ISO tetherという名前の「汎用」ISOFIXちゃいるどシートはトヨタ車でなくとも「汎用」ISOFIX車両と認定されている車であればどれにでも取り付けて使用できます。ここに完全に「汎用性」が実現します。 |
Q: なにが「汎用」ISOFIX対応ちゃいるどシートで、何が「汎用」ISOFIX対応車両なのですか?その見分け方を教えて下さい。 
ちゃいるどシート側でいえば、トップテザーが付く構造になっているかどうか、又、画像の様な認証シール=オレンジ色のステッカーが貼付されているちゃいるどシートであるかどうかです。この条件を満たしていればこれは「汎用」ISOFIXシートであり、どのISOFIX対応車両にも、「純正でなくとも合法」シートとして取付け、使用できます。勿論、画像の様なISOFIXロアアンカレッジの表示ステッカーとトップテザーアンカレッジの表示ステッカーの貼付も確認してください。
ちゃいるどシートが認証=「汎用」ISOFIXちゃいるどシートであれば後は取り付ける車が「汎用」ISOFIX車両であるかどうかです。自動車側でいえば、備え付けの取り扱い説明書の「シート位置別子供専用シート適正一覧」の「IUF」という表記か「汎用Isofixちゃいるどシートが取り付けられます」との案内表記があるかどうかです。この条件をみたしていればこれは「汎用」ISOFIX対応車両であり、「汎用」ISOFIX対応CRSを取り付けて使用することができます。
| <解説>将来生産される自動車もちゃいるどシートも新保安基準の条件を満たしていれば、それぞれ単独で汎用「ISOFIX」車両及び「汎用」ISOFIXちゃいるどシートと認定されます。その認定の証しが自動車側では、オーナーズマニュアルの適合性一覧表に「IUF」か「汎用Isofixシートが取り付けられます」との記載で、「汎用」ISOFIXちゃいるどシート側では、汎用=UNIVERSAL、9-18kg、認可番号などが記載された認証シール=ステッカーの貼付です。 |
下記は実際に「汎用」ISOFIX対応幼児用CRSに貼付されている認証ステッカーと、「汎用」ISOFIX対応車両の取扱説明書の「シート位置別子供専用シート適正一覧」表のサンプルですので参照ください。
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認証シール(ステッカー)
○の中に子供がシートに 座っているマーク
このシートがISOFIX対応 シートであることを表示
B1
このシートが保安基準 (ECE R44/04)で定める子供専用シートのサイズ・等級B1であることを表示
ROMER DUO
子供専用シートの名称
ECE R44/04
認証を与える保安規準がECE R44/04であることを示している
Universal 9-18kg Y
子供の質量(体重)グループⅠ 9-18kgで3点式シートベルトを使用して固定する場合にUniversal - 汎用シートとして使用を認可されていることを表示 |
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Specific Vehicle 9-18kg
子供の質量(体重)グループⅠ 9-18kgで3点式シートベルトを使用して固定する場合にSpecific Vehicle - 車両限定シートとして使用を認可されていることを表示
○の中にE1-認可マーク
このシートが生産された又は保安基準認定を与えられた認可マーク、国番号が付いている
04301133
子供専用シートに与えられた認証(認可)番号
BRITAX ROMER Blauberer Str. 71 D-89077 Ulm
生産者の名前、所在地
<オレンジ色の認証シール(ステッカー)>
Universal ISOFIX 9-18kg Y
子供の質量(体重)グループⅠ 9-18kgでISOFIX装置を使用して固定する場合にUniversal - 汎用ISOFIXシートとして使用を認可されていることを表示
適合性一覧表上の表記
自動車メーカーによっては適合性一覧表に「IUF」の表記がない場合もありますが、「汎用Isofixシートが使えます」というような案内があれば「IUF」表記と同じとご理解ください |
結論1: 現時点で最も簡単に装着でき、信頼性があるのはISOFIX対応CRSです。
結論2: ISOFIX対応CRSは「大は小を兼ねる」で、ISOFIX固定装置を備えていない車でも殆ど
の場合汎用CRSとして使えます。その逆にISOFIX非対応CRS=小がISOFIX対応CRS
=大を兼ねることはできません。
結論3: すべての判断・選定基準はCRS側の認証ラベル(ステッカー)と自動車側の「シート位置
別子供専用シート適正一覧」表の記述です。
結論4: ISOFIX対応CRSは「純正シート」以外の使用は違法というのは間違いです。従い
「純正」以外を使用すると罰せられる、保険でも不利ということはありえません。
結論5: 汎用ISOFIX対応CRSも「純正シート」以外の使用は違法というのは間違いです。
従い「純正」以外を使用すると罰せられる、保険でも不利ということはありえません。
結論6: 購入しようとするISOFIX対応CRSがご自分の車に取り付け可能かどうか判らない場
合は、遠慮なく自動車メーカーかチャイルドシートメーカーに問い合わせましょう。
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